乳酸菌歯磨き粉・アバンビーズの画像

 みなさん、歯磨きはしてますか?

 まぁ大概の人はしているだろう。してない人はちゃんとしよう、歯磨きくらい。

 ではみなさん、どんな歯磨き粉を使っておいでだろうか。

 スーパーで適当に買った品? こだわりを持って通販で取り寄せた高級品? それとも歯磨き粉は使わない主義?

 今回は、私が使っているちょっと変わった歯磨き粉についてお話しする。

もともとはごく普通の歯磨き粉を使っていたが…

 かつて、私は歯磨き粉に対するこだわりなど持ってはいなかった。

 いや、中途半端に、こだわりともいえないこだわりは持っていたのかも知れない。

 歯磨き粉がなくなりそうだな~、という状況になると、スーパーやドラッグストアの歯磨き粉コーナーへ行き、何を買おうかちょっと迷う。

 各商品の売り文句を眺め、比べ、結局のところ、お値段的には「下の上」程度のものを買って帰る(最も安いものを選ぶわけではない点が中途半端さを表している)。

 さてある時期、腸を良くしたくて、プロバイオティクスについていろいろ調べることが多くなった。

 お馴染みビオフェルミンについて、たしかアマゾンのレビューを見ていたときだったと思う。

 多くのレビューの中に、

「ビオフェルミンを囓ると、口内の環境が良くなり、歯周病の予防になる! 体調も良くなり、いろいろはかどる!」

 というような一文を見つけた。

 ほう、と興味を持ち、乳酸菌とお口についても調べることにした。

乳酸菌が口内にもたらす効能

 大人の人で、口の中には300~700種類の細菌が生息していると言われる。

 細菌の個数、ということでいうなら、これは歯を良く磨くか否かで個人差があり、1000億~1兆個(!)もの細菌が存在するそうだ。 

 もちろん細菌イコールすべてが体に害悪、ではないし、無菌、少菌状態はむしろ身体にとって危険な場合もあるが、やはりケアを怠れば、口内の細菌叢はよろしくない状態へと傾いてしまう。

 そんな、悪玉菌だらけの修羅の国と化したお口の中に乳酸菌を放り込むとどうなるか。

 腸内同様だ。悪玉を倒す正義の勢力として活躍してくれるのである。

 むろん即日で効果が出るわけではないが、日々、乳酸菌錠剤の類いを噛み噛みし、乳酸菌軍団に援軍を送り続けてやれば……

 ついには口内で乳酸菌軍団が悪玉菌を駆逐! …とまではいかずとも、善玉乳酸菌軍が口内における最大勢力となり得る。

 そうするとどうなるだろう?

 多くの人々が気にするお口のトラブル、その多くの予防・改善が期待できるのだ。

 まず、口内がきれいになる。

 歯垢が発生しにくくなり、口内のネバネバも少なくなる。

 こいつらの正体は、悪い細菌だからだ。

 善玉菌にやっつけられた結果、悪い細菌は少なくなり、よって歯垢やネバネバも少なくなる。

 虫歯の予防にもつながる。虫歯の原因とは何だろう。歯垢に住み着く、虫歯菌に類する細菌だ。つまり、悪い細菌。善玉菌軍団の駆逐対象だ。

 口臭の予防にもつながる。口臭の原因とは何だろうか。やっぱり悪い細菌だ。

 歯周病予防にも期待できる。歯周病の原因とは何だろうか。やっぱり悪い細菌である。

 つまり、多くのお口のトラブルの原因の大概は「悪い細菌」であるので、それを退治してくれる「善玉乳酸菌」を口の中に飼っておくことは、口内環境にとって極めて有益であるわけだ。

 もちろん、実際に歯垢も凝り固まって「歯石」にまで進化してしまうと、歯医者で除去してもらうしかなくなるし、はっきり「虫歯」や「歯周病」になってしまった場合も、歯科での治療は必須となる。

 それに対しても、乳酸菌は治療の一助となるだろうし、また治療後の再発防止に有効だ。

 また口内の細菌叢が良い状態にあるというのは、その持ち主の「食」のクオリティを上げる。

 想像してみて欲しい。

 高級で高品質、新鮮でオーガニックな栄養満点な食材を…

 最高のシェフが、完全な衛生状態にされたピカピカのシステムキッチン、高価な調理器具類で料理し…

 同じく完璧に洗浄され、磨き上げられた高級食器に盛りつけたとして……

 そのすばらしい食べ物を、最後に咀嚼する歯が、お口がバイ菌だらけでは……

 台無しではないだろうか。

 その料理がどれだけ体にいいものであっても、最後の最後で汚染されてしまうように感じてしまう。

 逆にいえば、少々変なものを食べても、口内の細菌状態が優良なら、咀嚼の過程である程度は悪いものを除去してくれる(あくまである程度は、だが)ことが期待できるわけだ。

二種類の乳酸菌歯磨き粉

 というわけで乳酸菌錠剤をポリポリやり始めた。

 聞いた通り、口の中がきれいになった感じがする。

 悪い口臭が発生することもなくなり、むしろヨーグルト系のいい匂いが、口からするようになった……気がする(実際に誰かに嗅いで、確認してもらったわけではないが)。

 体調も良くなってきたように思う。もちろん、ポリポリ囓るとはいえ、乳酸菌錠剤の大半は胃へ、腸へと落ちてゆくわけだから、本来の、プロバイオティクスとしての効果も得られている。

 歯磨き粉は、これまでのものを使っていた。パッケージを見返してみると、悪い細菌をやっつける「除菌効果」がなかなかに強いそうな。

 これは頼もしい。そう感じた。この歯磨き粉で悪い菌を退治して、そこに乳酸菌を送り込めば、効果倍増、間違いない!

 しかし、あるとき歯磨き粉についてネットで調べてみたところ……

 いろいろ眉をひそめさせることが書いてあるではないか。

  • 歯磨き粉の中で研磨性の高いものは、歯に負担となる。
  • 泡立ちが良すぎるものは問題あり。磨けてもいないのに磨いた気分なる。また泡立ち成分に、人体に害となるものが使われている場合もあり。
  • その他、海外製に多いようだが、品物によっては得体の知れない添加物が使われている可能性あり。

 私がそのとき使っていた歯磨き粉がどうだったのかは知らないが、ちょっと「う~ん」と考えさせられてしまった。

 歯磨き粉にも、多少はこだわって、良いものを使った方がいいのかな、と思った。

 そのときふとピンときたわけだ。

「どうせなら、乳酸菌入りの歯磨き粉はないのだろうか?」

 そうして探してみると……あった! あった!

二種類の乳酸菌歯磨き粉

 とはいえ見つかったのは2種類である。

 乳酸菌の、口内での有益性を考えるとちょっと意外な感じもしたが、ともあれ2種類だ。

 いや正確には1種類といったほうが正確だろう。これから紹介する、ふたつのうちひとつには、正しくは乳酸菌が入っていないからだ。

 さっそくご紹介していこう。

アバンビーズ。乳酸菌その他の成分で口内の悪玉菌を除去し、口臭を防止する歯磨き粉

 まずひとつ目が、わかもと製薬「アバンビーズ」。

 伝統的整腸剤のひとつである「強力わかもと」、乳酸菌特価の「わかもと整腸薬」等でお馴染みのメーカーによる、乳酸菌歯磨き粉だ。

 主成分たるWB2000乳酸菌は、ナチュラルかつパワフルな清掃剤としても活躍し、歯垢を除去。歯を自然な白さに磨き上げてくれる。

 また「ベータシクロデキストリン」「ゼオライト」といった成分が口臭ガスを吸着。口臭を抑える。

 他にもタバコのヤニ汚れなどを除去する成分、歯周病を予防する抗炎症剤などが含まれているとのこと。

 乳酸菌の口腔への利益の中でも、特に口臭対策を売りにした商品だ。

 口臭とは、非常に軽いものではあるが、ある意味一種の毒ガスともいえる。

 臭いとは周囲が思うばかりで本人は気づかない…とはよく言われるところだが、実際のところその毒ガスの害を一番被り、気付かぬうちに健康を害しているのは当人だったりする。

 このアバンビーズを使用したことで口臭がなくなったどころか、いつのまにか体調が良くなったという人もいるそうだ。

デントラクト。乳酸菌生成エキスで口内の乳酸菌を増やす歯磨き粉

 つづいてはB&Sコーポレーション製「デントラクト」。

 前述した、正確には乳酸菌が入ってない歯磨き粉とは、これのことだ。

 そのかわりに、この歯磨き粉、他社にはない独特の成分を保有している。

 それが乳酸菌生成エキス。

 乳酸菌発酵させた大豆より抽出した、B&Sコーポレーション秘伝の成分だ。

 B&Sコーポレーションが昔から発売しているお通じ改善サプリ、「ラクティス」「智通」といった商品の主成分でもある。

 その効果は善玉乳酸菌を守り、増やすこと。

 ごく少量で、極めてパワフルな効果をもたらす、スーパープレバイオティクスといったところだろうか(食物繊維ではないが)。

 乳酸菌そのものではなく乳酸菌生成エキスを使うのは、乳酸菌にはひとそれぞれ相性の合う合わないがあるので、場合によっては利益や効能を得られない可能性があるため。

 また、外から取り込んだ乳酸菌は、残念ながら体内に定着することはあまりなく、数日で体外へと排泄されてしまうことが多いから…でもある。

 人間の体内の体に住み着く(定着する)善玉菌の種類は、幼少期の段階ですでに決まってしまう。

 それ以外の菌を摂取しても、おなかの中にいる数日間は有益に働いてくれるものの、その後は便とともにサヨウナラ……排泄される。

 この乳酸菌生成エキスであれば、その当人にとってすでに定着済みの、最もナチュラルかつ有益な善玉菌を増やすことができる。

 アバンビーズの「WB2000乳酸菌」が合わなくて効果を感じられない方、自分にとってナチュラルな乳酸菌でオーラルケアをされたい方などに向いている。

 またアバンビーズに比べて、添加されている成分が少ないことも特徴。

 厳選された、安全背の高い原料を使用して作られたというデントラクト。

 発泡剤や香料は不使用だし、口臭対策の成分や歯周病対策の抗炎症剤なども含まれてはいない。

 あくまで「乳酸菌生成エキス」で口内細菌叢の状態を良くすることに特化した歯磨き粉なのだ。

 そういう意味でも、ナチュラル派の人にオススメなのではないだろうか。

「アバンビーズ」と「デントラクト」。両方使ってみた結果。

乳酸菌歯磨き粉 アバンビーズとおまけ歯ブラシの画像

 さてこの両商品、両方使ってみた。

 長々書いてきた割に比較及びレビュー部分はあっさりだが、この二つ、両方とも、普通に…同じように効く。

 歯医者でのホワイトニング治療はもちろん、ホワイトニング系の歯磨き粉には劣るが、歯、自然な感じで綺麗になる。

 口内や、舌のネバネバ、少なくなる。

 口の中がさっぱりする。

 多分口臭も、より少なくなっていることだろう(やはり他人にチェックしてもらってはいない)。

 口内毒ガスがなくなったおかげかはわからないが、気分もいい。

 むかしは、多くの人々の例に漏れず歯磨きが億劫でならなかった私だが、最近では食事の後はすぐ歯磨きをしたくなる。

 食事を取る。 → 綺麗だった口内環境が乱れる。 → 不快で落ち着かなくなる。

 という回路ができあがっているのだろう。

 これらの歯磨き粉を使うようになってから、日々の体調、生活の基本レベルが、ちょっとだけではあるが上昇したように思う。

 比較としては、添加物少なめの「デントラクト」は、そのぶん泡立ち等は少ない。

 あまり「歯磨きしてやってる」感じになりにくいかも知れない(まあそのほうが良いともいわれる)。

 ミネラル豊富な沖縄の天然塩を含んでいるというだけあって、味はしょっぱい。

 幼少の頃使っていた、コープの塩歯磨き粉を思い出させてくれる。

 一方の「アバンビーズ」。

 こちらはデントラクトと違ってシャカシャカ泡が立つ(前述の通り、それに関する是非は諸説ある)。

 磨いた後、気持ちのいい爽快感をしっかりと味わえる。

 それも、安物の歯磨き粉を使った後のような、刺激が強すぎて痛いような感覚ではない、自然なさっぱり感だ。

 ちょっと取り扱いにくい(?)点としては、歯磨き粉にしてはかなり堅めで、粘度も高いこと。

 乳酸菌を歯磨き粉内で生かすためなのだろうか? 水分を少なめにして製造しているようなのだ。

 慣れないうちは、

「チューブから歯磨き粉が出てこない!」

 と力を入れてしぼり、結果大量の歯磨き粉をぶちまけてしまう、ということが起こるかも知れない。

おわりに

 その他、注意事項、副作用等の心配などは……特にない。

 ただ、これは個人的に行っていることだが、冷蔵庫にて保存している。

 アバンビーズの方だが、アマゾンのレビューの方に、

「最初はいい感じだったが、次第に効かなくなった。乳酸菌がみんな死んでしまったのだろうか?」

 というような内容の一文を見つけたからだ。

 確かに、乳酸菌はデリケートな物質。

 口腔摂取するサプリメント商品においても、できうる限り冷蔵庫で保管すべしといわれている。

 よって念のため、冷蔵庫にしまうこととしたのだ。

 デントラクトの方は、乳酸菌そのものは入っていないが、やはり天然成分が多く入った歯磨き粉。

 妙な変質を予防するためにも、冷蔵庫で保管して悪いということはないだろう。

 歯磨き粉にしては…だが、安い買い物ではない。

 アバンビーズが80g、デントラクトが70gで、お値段はどちらも1000円と少々(2017.9.30時点)。

 安い歯磨き粉と比べれば、分量3分の1、お値段5~10倍といったところ。

 まさにセレブリティな歯磨き粉だ。

 けれどもこれらを使い続ければ…

 歯はピカピカ、お口さっぱり、口臭知らずで、毎日元気。

 そんな日々が期待できることだろう。