塩化マグネシウム

 マグネシウムというミネラルについて、これまで何度か書いてきた。

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 そのなかで、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を使ってマグネシウムオイルを作った話をかつて書いた。

 このたびはその続編として、マグネシウムオイルの王道である塩化マグネシウムを使用してのマグネシウムオイル作りにチャレンジしてみた。

マグネシウムを経皮吸収

 とりあえずマグネシウムおよびマグネシウムオイルについておさらいをしておこう。

 体内において300以上の酵素の合成に関わり、心身の状態を「地味」にしかし「確実」によくしてくれる栄養素、マグネシウム。

 しかしこのミネラル、そのフォーム(キレート状態。マグネシウムがどんな物質を結びついているかということ。酸化マグネシウムとかクエン酸マグネシウムとか色々ある)によっては、ひどく吸収されにくい成分でもある。

 高吸収フォームとされるグリシン酸マグネシウムなどであれば話は別だろうが、吸収率の低いフォームのマグネシウムを経口摂取するくらいなら、その水溶液を肌に塗り、

「経皮吸収」

 を試みた方が、効率的に、消化器官等にも負担の少ない形で、体内に取り込むことができるといわれている。

 その水溶液が、マグネシウムオイルと呼ばれるものだ。

塩化マグネシウムがマグネシウムオイルの王道

 で、前述通り以前は入浴剤としてもお馴染みエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を水に溶いてマグネシウムオイルを作ってみて、なかなか良いものができたのであるが……

 マグネシウムオイルというもの、一般的には硫酸マグネシウムではなく、塩化マグネシウムを使って作るものなのだ。

 塩化マグネシウムとは―――海水に含まれるマグネシウムで、お豆腐などを凝固させる際に使われる、いわゆる「にがり」とよばれる成分だ。

 エプソムソルトよりは割高になるが、マグネシウムマニアとしては是非試してみたくもあったので、やってみることにした。

塩化マグネシウムオイルの作り方

 仕入れた塩化マグネシウムはこちら。

 藤井薬品製、塩化マグネシウム500gである。

 この商品を選んだ根拠は……特にない。ぱっと見、医薬品グレードっぽい感じだし、お値段も他よりちょっとだけ高めだったので、まあよさそうかなぁ、と単純に考えた。

 中身はこんな感じ。サラサラした粉末だ。

塩化マグネシウム

 作り方はエプソムソルトバージョンと同じだ。

 塩化マグネシウムと蒸留水を適当な容器に入れてシャッフル。以上。取りあえずはどちらも100gずつで混ぜ合わせた。

 できあがったオイルがこの写真。

塩化マグネシウムオイル

 ただの透明な液体であるのはエプソムソルトバージョンと変わらないが、エプソムソルトよりは溶かしやすかった。

 それでは、エプソムソルトオイル同様、お風呂上がりに体にペタペタしてみるとしよう。

塩化マグネシウムオイルの使用感

 さて、取りあえず腕に付けてみたが……

「おおう!?」

 と声が出てしまうくらい、ビリビリ来る。しみるのだ。

 マグネシウムが、皮膚に染みこんでゆく感覚。慣れるとそれほど気にならなくなるが、エプソムソルトによるマグネシウムオイルより、感覚としては強烈だ。

 水に溶けやすいということは粒子が微粒だということだろうから、肌にも吸収されやすいのかも知れない。

 前述の通り蒸留水100gに対し塩化マグネシウム100gで作ったが、ひょっとするともっと薄めにしても良いかもしれない。蒸留水100gに対して、塩化マグネシウム50gとか、25gとか。

 あまりに刺激が強いようだと、間違ってデリケートな箇所にかかってしまうのが怖いところ。最初は超薄めに作って、具合を見て必要なら濃くしていく、という方針が無難ではないだろうか。

 オイル自体の感触は、サラサラした液体だ。海外通販などで手に入るマグネシウムオイルはベタベタしているといわれるが、そんな感触はない。

 塗って乾いた後は、お肌がしっとりとした感じになる。この辺、肌がさらっとした感じになり、場合によっては粉っぽくもなるエプソムソルトオイルとは異なる。

 体感できる効果としては、エプソムソルトオイル同様、お肌に対する美肌効果はしっかりある。

 荒れたところのない綺麗な肌になり、毛穴の汚れもスルスル取れるようになる。

 食欲は安定するし、変なものを摂取したいという欲求もなくなる。心身が健康的な状態になる。

 塗った後のリラックス感―――逆にいえばダレた感じ―――は、エプソムソルトオイルより控えめだ。個人的にはこれくらいの方がいいかな。

まとめ

 濃度をうまく調整すれば、やはりこの塩化マグネシウムのマグネシウムオイルの方が使いやすいかな、とは思う。

 エプソムソルトの方がコスパは良いし、

  • マッサージソルトとしても使える。
  • 入浴剤としても使える(というかそれが本来の用途)。

 というメリットもあるので、単純に「選ぶならコッチ!」とはいいがたいが……

 より高品質なマグネシウムオイルを自作したい!  という方は、一度塩化マグネシウム―――試してみる価値はあるのではないだろうか。

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