前回「胃薬・太田胃散の是非。利益を十二分に得るには? 副作用を避けるには?」の続きである。

胃に効くサプリが見当たらない

 胃薬は副作用の心配があるし、根本的な問題解決にはならないと感じた私。

 なんとか、食事療法等ナチュラルな方法で、胃の不調を解決できないかと模索した。

 とはいえズボラな私。極力苦痛や面倒のない方法で、胃の改善を図りたいところである。

 つまり、なにかしらの錠剤を飲むだけでいい感じになれるなら、それが一番だったわけだ。

 でも胃薬はダメ。となるとサプリメントだ。

 しかしながら、「胃に効く」という成分を保有したサプリメントって……あんまり聞かない。

 胃腸とひとくくりにされる胃と腸。

 腸に効くというサプリメントはたくさんある。

 腸内細菌そのものたるプロバイオティクス。腸内細菌の餌となるプレバイオティクス。ポリフェノール等、腸に良い刺激を与えてくれる各種天然成分のサプリ。

 ちょっとドラッグストアに行けば、いくらでも目にできる。

 けど、胃に効く成分を含むサプリというのは、あまり、というか、ほとんど聞いたことがない。

食事療法、運動で胃を治せ

 薬もダメ、サプリもない、なら、もう腹をくくって、面倒でもそれ以外の方法を取るしかない。

 さて、弱った胃を良くする方法、果たしてどんなものがあるだろうか。

1.ウナギを食べる!

 とことん栄養豊富で、人体に必要な成分のほとんどが含まれるというウナギ。

 豊富なビタミンAは、胃の粘膜を強化してくれるという。

 抗酸化作用成分も多く、胃炎や胃潰瘍の原因となる悪いものを除去してくれる。

 良質なタンパク質、アミノ酸が、それら成分と一緒になって働き、胃をギュンギュン直してくれる。

 実際に食べてみると、確かに胃にしみる(心地良いという意味で)!

 次の日も、普段よりおなかがイキイキ、元気な感じだ。

 ただ、かなり脂っこい食材なので、人によってはむしろ胃に負担となってしまうかも知れない。

 それに……最近のウナギはさすがに高すぎる!

 毎日食べる余裕はない。

2.納豆を食べる!

 納豆のヌルヌル成分が、胃粘膜を強化、修復するといわれる。

 日本国であればスーパーでもコンビニでも、大抵は売っているであろうハイパー健康食品。

 ふたを開けて、お好みで調味料を入れて、かき混ぜたら後は食べるだけ。超お手軽。

 胃に対する効果意外にも、健康に有益な多くの成分が含まれていることは言うまでもない。

 日々の生活に取り入れなければ損な食材だ。

 ただ注意事項としては、ヌルヌルで滑りがいいので、よく噛まずに飲み込みがちになる点。

 噛まずに飲んでしまうと、当然、消化器官に負担をもたらし、胃の調子をむしろ悪くしてしまうだろう。

 入念に噛むことを意識しながら食べるようにしよう。

3.キャベツを食べる!

 キャベツに含まれる成分に、ビタミンUと呼ばれるものがある。

 その主な効果は、胃酸の分泌量を調整することと、胃粘膜の新陳代謝を促進すること。

 まさに、ダメージを受けた胃にぴったりの成分で、キャベツから発見されたことから、その別名を「キャベジン」という。

 キャベジン。胃薬にもその名を持つものがある。あれはこのビタミンUが主成分になった薬なので、その名を冠しているわけだ。

 薬の方のキャベジンは、胃酸中和剤等が入っている胃薬なので、長期連用は控えるべきだが、普通のキャベツを毎日の食べることは当然OK。

 確かに、千切りキャベツのサラダをモシャモシャ食べた次の日は、胃の調子が良い気がする。

4.カモミール茶を飲む!

 カモミールティ。

 人気のハーブティで、スーパーなどでもティバッグのものがよく売られている。

 心身をリラックスさせ、夜などに飲むと心地よい眠りをもたらしてくれるハーブだが、胃にもよい成分が含まれるという。

 その成分が、アズレン誘導体。

 こいつが胃の粘膜を修復し、正常化させ、消化機能等の狂いも直してくれるといわれている。

 寝る前にカモミールティを一杯飲んでベッドに入れば、次の日は胃がとてもスッキリしていることだろう。

5.腹筋をする!

 前に、「あまり運動しないひとも軽い腹筋くらいした方がいい理由」で書いたとおり。

 腹筋が弱っていると胃下垂等の原因になり、胃に余計な負担をかけ、正常な働きを妨げてしまう。

 また腹筋は胃腸を守る鎧。これがふにゃふにゃだと、ただでさえストレスに弱い胃がさらにストレスにさらされてしまう。

6.禁酒禁煙! でも無理なら…

 お酒、胃に負担となる。

 たばこの煙も、入るのは肺にだけではない。胃にも届く。大いなる負担となる。

 可能ならやめるべきだ。

 それが無理なら、せめて酒やたばこの負担を自然と減らす工夫として……

 お酒を飲むときは胃粘膜に良いヘルシーなおつまみ(上記の納豆など)を取るとか、たばこが進みやすいコーヒーなどの飲料は控えるとか、そういう工夫をするといいだろう。

7.消化にいいものを食べて休息する!

 ある人に訊いた。

「胃が悪いんですけど、どうすれば治りますかねぇ?」

 その人、答えて曰く、

「おかゆとか消化にいいものを喰って安静にしておれ」

 極めてシンプルな回答ではあるが、でもそれが究極の奥義ではあるようだ。

 休息。休息。

 休息して、偉大なるみずからの自然治癒のパワーに胃をゆだねるのだ。

 それにプラスアルファして、上記の6点を組み合わせるのである。

まとめ

 いかがだろう。ご自身の胃に不安を持たれている方々にとっての一助となれば幸いである。 

 もちろん、症状が深刻な場合は、自己流の療法にこだわってないで病院に行くべきなのは言うまでもない。

 一度胃を悪くしてしまった人間が、胃を回復させることができたとき……

 すばらしい気分になれる。悪かったものが元に…「普通」に戻っただけなのに、小躍りしたくなるほどの幸福感に包まれる。

 「普通」というのは、こんなに快適なものだったのかと感動する。

 健康のありがたさというのが実感でき、人間にとって一番大切なのはやっぱり健康なんだなと思い知らされる。

 胃は良くしておかなきゃ、人生、本当に損である。