バレットプルーフ・バターコーヒー、混ぜる前1

 「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」という健康本がある。

 著者はデイブ・アスプリー氏。

 IT業界の大物経営者であり、医者でも学者でもないが、ぶくぶくに太り不健康の極みだった自身をなんとかすべく、巨万の私財を投じて様々な健康法を試しまくって、ついには究極のダイエット法・健康法を編み出したという人物だ。

 352ページにわたる本書には無数の有益な情報が満載されており、そのすべてが「私にとって」合うものではなかったが、それでもガタガタだった私の日々を、人生を、相当なレベルで良い方向へと導いてくれた。

 このブログにとっても、極めて重要なパクリ元……もといネタ元になっている本である。

 著者のアスプリー氏は、自分が考案したダイエット・健康法を、バレットプルーフダイエットと名付けている。

 バレットプルーフとは「防弾」の意だそうで、日本語版では「完全無欠」と翻訳されている。

 その中核をなすバレットプルーフコーヒーこそが、いま世界で話題のダイエットバターコーヒーなのだ。

バレットプルーフコーヒー、その材料

 バレットプルーフコーヒーにおいて、まず大切なのは材料だ。

  • スペシャリティクラス以上のコーヒー
  • ココナッツオイル、あるいはMCTオイル
  • グラスフェッドの無塩バター。無理なら高品質のバター

 スペシャリティコーヒーにこだわるのは、まず低品質なコーヒー豆にありがちなカビ毒を回避するため。

 むろん、コーヒーの有益成分が、低品質のものに比べたっぷり入っているからでもある。

 ココナッツオイルとMCTオイルを使う狙いは、中鎖脂肪酸の摂取だ。

 MCTオイルというのは、ココナッツオイル等から中鎖脂肪酸のみを抽出したものなので、どちらかというならMCTオイルの方が望ましいそうだ。

 中鎖脂肪酸は他の脂質に比べ燃焼しやすい性質を持ち、その中鎖脂肪酸が燃えることに釣られて、体脂肪も燃えやすい体質になる…とのこと。

 また脳にとっても有益な栄養素で、IQが高くなるほどの効果もあるそうだ。

 グラスフェッドとは、穀物飼料でなく、牧草で飼育されたもの、という意味だ。

 肉にせよ、乳にせよ、牧草飼育の畜産物は、穀物飼育のそれに比べて、極めて有益な栄養素が豊富なのだとか。

 さてそれらをどうやって入手するかだが、地元にコーヒー専門のショップがあるなら、スペシャリティコーヒーはすぐに手に入ることだろう。

 ココナッツオイルに関しても、最近ではドラッグストアやスーパーなどでも売られている。通販ももちろんOK。

 MCTオイルもたまにスーパーで見かけるが、コスパ的にはネット通販の方がよろしいかと。

 問題はバターだ。グラスフェッドバターも、通販での取り扱いがあるといえばありますが、ちょっと高すぎ!

 さすがに手が出ないようなら、国産であれば「比較的グラスフェッド率が高い」といわれる四つ葉バターなど良いのではないだろうか。

作り方はシンプル。とはいえ……

 まず、コーヒーを作る。

 普通の粗挽き~中挽きのフレンチプレスが良いだろう。前に紹介した「細挽き沈殿式」などでは、ちょっと微粉量が多くなりすぎて合わない気がする。

 その後材料を混ぜ合わせるわけだが、目安となる分量は以下となる。(ただこの分量は、考案者による現代アメリカ人向けの分量となるので、我々日本人としてはもっと少なめで良いかもしれない)

  • コーヒー1杯
  • バター大さじ1杯まで
  • MCTオイルあるいはココナッツオイル大さじ1杯まで

バレットプルーフ・バターコーヒー、混ぜる前2

 MCTオイルについては、慣れるまでは少量から始めるのが良いということだ(お腹を下す可能性あり)。

 混ぜ合わせ方だが、スプーンでかき混ぜるとかではダメで、電動のブレンダーを使う必要がある。

 パワフルな器機を用いて攪拌することにより、脂質がより有益な状態へと変化するとのこと。

 またコーヒーに加えるバターやオイルを、ただ混ぜるだけでなく溶かし合わせることも大切だ。というのも、バターやオイルを溶かすとミセルという状態に分解され、脂肪をエネルギーに変換するようになるからだ。

 そのために一番良いのは据え置きのブレンダー(ミキサー)だが、

 こいつがちょっと大変だ。

 パワーが強すぎるせいで、大きめのふきんでぐっと上から力いっぱい押さえつけた上でスイッチを入れないと、コーヒーが四方八方に飛び散ってしまう。

 また洗うのもやっかいで、中にお湯と洗剤を入れて攪拌した程度ではバターの油分が取れない。スポンジ等でこする必要があるのだが、私は一度それで指を切ってしまった。

 で、おすすめは下のようなミルクフォーマー。

ハリオ・ミルクフォーマーの画像

 こいつを突っ込んで、スイッチを入れれば、据え置きブレンダーほどのものではないにしろ、ほとんどそれに近い出来のものが作れる。

バレットプルーフ・バターコーヒー、撹拌中

 下が、スプーンで一生懸命かき混ぜたバターコーヒー。

バレットプルーフ・バターコーヒー、スプーン混ぜ

 次が、ミルクフォーマーで攪拌したものになる。

バレットプルーフ・バターコーヒー、フォーマー混ぜ

 前者は単に油の浮いたブラックコーヒーだが、後者はこんもり泡立ち、ミルクを入れたような色になっている。

 実際、前者と後者では、味わいも、身体への効果も、まるで違う。

 一口飲んでみたら……突然身体に満ちあふれるエネルギーにびっくりするだろう!

もちろん当然ながら……

 こいつを飲めば無条件で脂肪が燃えていき痩せる、というわけではない。

 バレットプルーフダイエットについての詳細……その理論と方法については、本をきちんと全部読んで頂くしかないのだが、ちゃんと食事制限もする。

 特に朝食は食べず、そのかわりにこのバレットプルーフコーヒーを飲むわけだ。

 バレットプルーフコーヒーにはエネルギーレベルを高める効果、脳を活性化させる効果、空腹感をオフにする効果、どれも凄いものがある。

 午前中をこのコーヒーのみで元気に乗り切ることは、なんら難しいことではないだろう。

しかし、悲しむべきことに……

 そんな、素晴らしい、世界中の人々が絶賛するバレットプルーフコーヒーなのだが……

 わたしはいま、飲んでいない。

 それはなぜなのか。どういうことがあったからなのか。

 それは、次回で。

 つづく。

【writer : doku】