カルシウム「サプリ」は意外と身体に体に悪い、かも?
カルシウム。いわずとしれた骨の元。もちろんそれだけでなく、人の精神、神経、筋肉、その他諸々に大きな影響のある、重要なミネラルである。
ゆえに、サプリの世界でも大人気。ミネラルサプリ界の中では、亜鉛と並ぶ花形スターといえるだろう。
しかしこのカルシウムも、亜鉛同様、ちょっとスキャンダル疑惑のあるスターのようである。
カルシウムサプリに効果はない?
食生活の西洋化が進んだ近代より、日本人のカルシウム不足は深刻であるといわれている。
伝統的に小魚、海藻類などからカルシウムを摂取してきた日本人。洋食文化が普及するにつれ、そういったカルシウム源を摂ることも少なくなった。
むろん洋食にもカルシウムの補給源は存在する。乳製品がそうだ。しかし西洋人と違って、日本人は乳製品からカルシウムを吸収しづらい体質であるともいわれる。
そこで頼りになるのがカルシウムサプリ! だったはずなのだが、最近になって、カルシウムサプリに不利な研究結果が、ぽこぽこと出てきているそうなのだ。
1.単純にまったく効果がない。
サプリメント状態のカルシウムは、まるで身体に吸収されないので、骨密度も高まらないし、骨も強くならないとのこと。よく、吸収率を高めるためとしてマグネシウムやビタミンDとブレンドしている製品もあるが、それでもやはりうまいこと体内で処理されないらしい(マグネシウムやビタミンD自体は有益な栄養素といわれるが)。
2.心臓病の原因になる。
その処理されなかったカルシウムが、血管内で石灰化し、血の流れを悪化させ、最終的には心臓病のリスクを高めてしまう。
3.情緒不安定になる。
むかしからイライラするのはカルシウムが足りないから、といわれるが、そういう情緒不安定な人の血中カルシウムを調べると、むしろカルシウム過剰症の傾向があったらしい。やはり体内で処理されないカルシウムが、悪さをするとのこと。
いまのところ「噂」レベルの話だとは思うが
こういうのを聞くと、ちょっと「うーん」と思ってしまう。カルシウムなんてそんなに重要じゃない、大事なのは体内でカルシウムをコントロールするマグネシウムやビタミンDだ、という話も聞く。
もちろんこういう話をすぐ鵜呑みにして不安がるのは「これまで常識とされた◯◯は間違っていた! 本当は△△!」理論が大好きな健康マニアの悪い癖であり、わけの分からん健康食品を盲信するのと同じくらいぞっとしない話でもある。
とはいえ栄養は出来うる限りサプリではなく食品から摂るのが望ましい、というのは確かだろう。カルシウムの目標摂取量は、
- 成人男性 700~600mg
- 成人女性 600mg
上限は男女ともに2500mgとのこと。せっかく日本人に生まれたのであるから、お味噌汁に海藻類でもぶち込み、またイリコやチリメンジャコでもぽりぽり食べて、最適な量のカルシウムを補給したいところである。