こんなタイトルの記事にたどり着いたということは、きっとあなたはそれなりにコーヒーというものを愛好される方なのであろう。

 素晴らしき、コーヒーの世界。

 すっと目を覚ましてくれるのに、同時にほっとリラックスさせてくれる味と香り。

 入れ方や、ちょっとした工夫で、普段とはまるで違う顔を見せてくれることも魅力だ。

 その健康効果が一般にも広く知られるようになった昨今、単純な嗜好品としてだけでなく、日々の元気のためにコーヒーを飲んでいるという方も多いのではないだろうか。

 かくいう私もそうだ。

 毎日、地元の専門ショップより仕入れたスペシャリティコーヒー(かなりお高いけど、味わい、香り、身体への効果ともにあきらかに違う!)で、コーヒーポリフェノールをはじめとした有益成分をたっぷりと摂取している。

 おかげでお腹ウキウキ、頭ワクワク。

 毎日を楽しく過ごせている。

ところでコーヒーの入れ方には色々ありますが…

 みなさんはコーヒーを淹れる際、どんなドリップ方法を採っておいでだろうか。

 コーヒーの入れ方は様々だ。

 一般的なペーパードリップ、金属フィルタードリップ、フレンチプレス、ネルドリップ、水出し方式、エスプレッソ、サイフォン、などなど。

 それぞれ特徴があるし、またペーパードリップひとつをとっても、カリタ式、 メリタ式、 ハリオ式などさらに細かく分類される。

 それを承知の上で、しかし様々なコーヒーの入れ方をあえて大別するとすれば、

  • コーヒーの微粉やコーヒーオイルをきっちりカットして、すっきり澄み切ったコーヒー液を抽出する入れ方(ペーパードリップなど)
  • コーヒーの微粉やコーヒーオイルを残して、まったりまろやかなコーヒー液を抽出するやり方(金属フィルター、フレンチプレスなど)
  • その中間(ネルドリップなど)

 その三種…に分かれるのではないだろうか。

 すっきり味とまったり味のどちらがいいか、これは単純に好みの問題であろう。

 究極の入れ方は中間に当たるネルドリップだとは多くのコーヒー党が認めるところだが、道具の手入れ、保管などが非常に手間で、ドリップにも高い技術を要する。

 一般家庭で日常的に行っておられる方はあまりいないようである。

 一方、栄養面、健康面においては、例によって意見は二つに分かれている。

  • コーヒーの細かな粉やオイルにはポリフェノールがたっぷり。身体にいい!
  • 微粉だの油だのは野菜の灰汁みたいなもの。身体に悪い。捨てるべし!

 いつものように、自分の身体で試してみるしかない。

身体に合うならば「まったりまろやか系」がおすすめ

 私自身の結論をいうと、コーヒーオイル等ペーパードリップにおいてカットされてしまう成分は、決して身体に悪くない、むしろ良い、と感じる。

 実際、飲んだ後のコンディション・テンションのアップ感、お腹のワクワク感が違う。

 むろん摂りすぎは良くないだろうし、低品質の豆を使うと、カビ毒等々の身体にお悪い成分を多めに摂取してしまう可能性もあるが、スペシャリティクラスのコーヒー豆を使う分には、その心配はあまりないと思う。

 もちろん、飲んでみて気持ちが悪くなったり、どうしてもおいしいと感じられなかったときはやめよう。そういう身体のサインは大切だ。

まったりコーヒーといえばフレンチプレス

BODUM・ボダムのコーヒープレス画像1

 さてまったりまろやかオイル入りコーヒーを作るにおいて、一般的なのが漏斗型金属フィルター方式とフレンチプレス方式。

 このどちらかを選ぶとするなら、やはりフレンチプレスだろう。コーヒーオイルは水より軽い成分なので、漏斗型ではどうしても抽出しきれないといわれている。

 フレンチプレスの入れ方は簡単。

1.お湯を沸かす。お約束どおり、プレス器具やカップはお湯で温めておこう。

2.豆を中挽きから粗挽き目に挽く。豆の量は定番どおり、一杯あたり10gが目安だろうが、そのあたりはお好みで。

3.それをプレス器具の中に入れる。

4.お湯を注ぐ。熱々のお湯が直接豆にかからないよう、ポットを傾けて注ぐ。私の場合、三分の一程度入れたところで、軽くポットを揺すってお湯を豆になじませるが、別に一気に注いでも構わない。

 お湯をどこまで注ぐかだが、ポットのてっぺんから2~3cmあたりでよいだろう。

BODUM・ボダムのコーヒープレス画像2

 このポットでいうなら、

BODUM・ボダムのコーヒープレス画像3

 「Bodum」のメーカーロゴの上端あたりがちょうど良いといわれている。

 自分にとってのスイートスポットはどこかを探ってみよう。

5.プレス機器の、蓋部分をはめます。そうして4分程度待つ。

6.4分たったらゆっくりとハンドルをおろし、豆と抽出液を分離して、できあがりだ。

プレスよりさらにオイル濃厚な、私流コーヒードリップ

 と、フレンチプレスについて解説してきたが、私は実はフレンチプレスはあまり飲まない(たまには飲むが)。

 プレスよりさらにコーヒーオイルたっぷりな、我流の入れ方で、日々のコーヒーを楽しんいる。

 前置きが長くなったが、この我流コーヒーの入れ方紹介が、今回の主題である。

 とはいえ難しいことはなにもない。実に簡単。極めてシンプル。

1.お湯を沸かす。コーヒーサーバーをふたつ用意する。各器具は例によって温めておく。

2.豆を細挽き目に挽く。

3.サーバーの一つに豆を入れる。

4.お湯を注ぐ。やや多めに注ぐ。軽く攪拌する。

5.2分待ち、また軽く攪拌する。さらに2分待つ。するとお湯の中のコーヒー豆のほとんどは自然と沈殿する。

6.比較的アミが細かめの茶こしを用意する。その茶こしでこしながら、もう一方のサーバーに抽出液を注ぐ。底の方の抽出液まで注いでしまうと、さすがに微粉が多くなりすぎるので、上澄みだけを注ぐようにする。

7.出来上がり! コーヒーを注いだ2番目のサーバーの底にも、すぐに微粉が沈殿するので、最後の方は残すようにして、おいしく飲める範囲で頂こう。

なぜかおいしい「細挽き沈殿式」

 もちろん、茶こしでこしながら、直接コーヒーカップに注いでもOK。その場合は二番目のコーヒーサーバーを用意する必要はない。

 もともとフレンチプレスを愛好していた私。しかしフレンチプレス特有の、粗挽きゆえどうしても薄めの抽出になる、という点が不満だった。

 そこである日ふと思いついて、細挽き豆でフレンチプレスを作ってみた。

 フレンチプレスにて粗挽きが推奨されている理由は、主に「細挽きだと、抽出液内の微粉がさすがに多くなりすぎる」というものだが、やってみると……別に悪くない。

 味もしっかり濃くなるし、粉っぽさにしても大して気にはならなかった。

 すっかり気に入って細挽きプレスを楽しんでいた私だが、またあるとき、フレンチプレスの代わりに茶こしでコーヒーを淹れる人もいるという話を聞いた。

 なるほどこれならプレスより皿洗いがラク(フレンチプレスの器具は、簡単ではあるが分解の必要がある)と思い、一度試してみると、不思議!

 細挽きプレスより濃厚で、とろっとろで、脳みそとお腹が歓喜するようなコーヒーができたではないか。

 いったい細挽きプレスとなにが違うのか。

 単純な話、プレスの金属フィルターと茶こしでは、茶こしの方が荒いアミ目になるので、抽出液内に含まれる微粉や微量成分の量が増えたということになるのかもしれないが、理屈はともかく、

「こっちのほうがおいしいんじゃない?」

 そう思ったわけである。

コーヒーを飲む際の留意点

 いかがだっただろう。

「こんな野蛮な入れ方をうまいと思うのはおまえだけ」

「コーヒー豆を直接食ってろ」

 という意見もあるかもしれないが、まあ「私にとっては」この入れ方がいちばんおいしいのである。

 ちなみに、偉そうに「我流」と称しているが、実際のところこの手の「細挽き沈殿式」でコーヒーを淹れておられる方というのは少なからずいるようだ(原初のコーヒードリップ法の一つ、トルココーヒーもそうだ)。

 さて健康面に関して気になることといえば、やはり飲み過ぎの問題だが、コーヒーに、それほど深刻な依存性や中毒性はないと思う。

 こんなわたしとて、4~5日コーヒーをまったく飲まない(普通に欲しくないので飲まない)ときもある。

 また上記の「細挽き沈殿式」コーヒーを毎日欠かさず飲んでいたら、ふいにあの「とろっとろ加減」に食傷してしまい、ごく普通のペーパードリップコーヒーが飲みたくなることもある。

 そういうときは、素直に感覚に従う。「もうこれ以上は要らないよ」というとき、身体はちゃんと教えてくる。

 またコーヒーは胃を痛めるという問題については、これは抽出する濃さが問題だと思う。

 自分にとって心地よい濃さのコーヒーを、何杯飲んでも平気な私。にもかかわらず、あるときカフェで超濃厚なエスプレッソを頼み最初の一口を飲んだ数秒後、

 ガツンッ!!!

 胃になにかが突き刺さったような痛みを覚えたではないか。

 胃を痛める原因はコーヒーの量ではない。コーヒーの質もあるかもしれないが、なによりの問題は濃さなのだ。

 「濃く淹れた方が絶対おいしい」という意見も世の中には多くあるが、胃を悪くしてはどうにもない。

 さらにいえば「あなたにとって胃を悪くする濃さのコーヒー」を、あなたの味覚はおいしいとは思わないはずだ。

 自分にとって最適な濃さを探ろう。

 豆の量を多くしたり少なくしたり…。お湯の量を多くしたり少なくしたり…。

 濃く淹れてしまったら、お湯をさして薄めよう。

まあ結局なにが言いたいのかというと

 コーヒーの入れ方もひとそれぞれ。

 別にカフェを開いてお金取って客に飲ませるというのではない、自分が飲むコーヒーだ。

 王道だろうが邪道だろうが外道だろうが、自分にとって心地よければそれでOK。

 ネット上にいくつも存在する、コーヒーマニアたちのレシピを詳細に真似てみたところ、うーん、いまいち、ということは良くある。

 もちろんいろいろ試してみることはいいこと。そこからオリジナルのアイディアが生まれる。

 私の入れ方も、ひとつの例であり、場合よってはある種のヒント(?)になるかもしれないが、それだけだ。

 是非とも皆さん、王道的なやり方にとらわれず、いろいろやってみて欲しい。

 まったく新しい入れ方を開発し、そのための器具を発明するレベルにまで至れば、ひょっとしたら大金持ちになれるかも……である。

【writer : doku】