最近、牡蠣が食べたくてしょうがない。

 もちろん牡蠣はおいしいから、好物だから食べたいのではあるが、ちょっと亜鉛不足だったりするのかな、とも思う。

亜鉛の素晴らしき効能

 人間にとっての必須ミネラル、亜鉛。その効果は多岐にわたる。

味覚を健全に保つ。

 舌にある「味蕾」と呼ばれる、味を感知する細胞の原料となる。

 この「味蕾」が健全でないと、食事が楽しめないのはもちろんのこと、体にいいものを「おいしい」、体に悪いものを「まずい」と感じられなくなり、誤った食事を取り続けてしまう可能性もある。

 味覚は人体を守るための重要なセンサーのひとつ。大切にせねばならない。

脳細胞や、脳神経を成長させる。

 脳細胞を長生きさせ、脳のシナプスや神経回路を成長させる。

 逆に、鬱病や精神疾患を患っているひとの脳は、極度の亜鉛不足であることが多いそうだ。

 このごろ憂鬱、頭の働きがにぶい、と感じられる人は、亜鉛を摂取してみるといいかもしれない。

美しい髪や肌、たくましい筋骨を育む。

 亜鉛はタンパク質を合成させる酵素の材料となる。

 いうまでもなく、タンパク質は人体のあらゆる部分の材料だ。

 積極的にタンパク質が合成されることで新陳代謝が促進され、体はたくましくなり、髪や肌は美しく成長する。

 トレーニングをしているけれどなかなか筋肉が付かない。いいトリートメントや化粧水を使っても、髪やお肌の調子が悪い。……そういう方は、亜鉛不足の可能性があるかも知れない。

抗酸化作用をもたらす。

 亜鉛は体内でビタミンAを助け、また代謝させる。

 ビタミンAの抗酸化作用をサポートすることで、アンチエイジングによる若返り効果が期待できる。

 また亜鉛は、抗酸化作用を持つ酵素の原料にもなる。

免疫力を向上させる

 免疫器官、免疫細胞を活性化することで、風邪や病気になりにくくなる。

 冬場などは特に風邪が怖い! 積極的に、亜鉛を取り入れていきたいところだ。

血糖値を下げる

 インスリンの材料となり、糖代謝を健全化する。

 健全な糖代謝はダイエット、肥満防止にも重要。

 なかなかダイエットがうまくいかない人は、亜鉛不足の可能性も?

生殖機能を改善する。

 特に男性はそうだが、亜鉛は精子の材料となり、性欲や精力を増強する。また性器の前立腺を健康に保ち、性的機能を良くする。

 女性に対しても、月経周期を安定させたり、生殖のための女性ホルモンを活発にさせたりと、やはり性的機能をパワーアップさせる効果がある。

 コントロールの効いてない性欲は困りものだが、基本的に性欲・精力はやる気や活力と密接な関係があるもの。性欲が落ちると、元気もなくなる……そういうものだ。

 日々アクティブに過ごしたい人にとって、亜鉛は必須である。

テストステロンの材料となる。

 元気・活力ホルモンとも呼ばれるテストステロン。

 男性ホルモンの代表のようにいわれているが、日々元気に過ごした女性にとっても重要なホルモンだ。

 亜鉛はその分泌を助ける重要な栄養素のひとつである。

 テストステロンがないと、元気は出ない、心は憂鬱になる、体は不活性になり太る、病気にもかかりやすくなる……悪いことずくめ。

 テストステロンを切らさないためにも、亜鉛が不足せぬよう気を付けねばならない。

サプリに頼らず、亜鉛を生活に取り入れるには?

 そんな素晴らしい効果を持つ、逆にいえば不足すると怖い亜鉛。

 男性なら12mg、女性なら9mg。毎日確実に摂取するために、是非ともサプリを飲もう! といいたいところだが、以前書いたとおり、わたくし、亜鉛サプリは苦手である。

 どうしても、お腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりしちゃう。

 よって摂取するなら普通に食事から、となる。

 とはいえ毎日牡蠣を食べ続けるわけにもいかない。季節ものだし、お値段もそれなりにする。

 他に、亜鉛を摂取するいい食材はないだろうか。

肉類

 牡蠣ほどではないが、肉類には亜鉛が豊富だ。

 牛肉全般、豚肉なら脂身の少ない部位であれば、100gあたり3~5mg程度の亜鉛は補給できる。

 一方、鶏肉類は100gあたりの亜鉛量が1gに満たない部位も多く、あまり亜鉛摂取には期待できない。

 ちなみにビーフジャーキーが100gあたり亜鉛8.8gと優秀だが、半分乾物なのでそれほどたくさんは食べられない。

 ときおり、おやつ代わりに少量食べるのは有益ではないだろうか。

魚介類

 魚介類だが、亜鉛食材の代表たる牡蠣を除けば、

  • 蟹(100g中、亜鉛4~5mg)
  • ほや(100g中、亜鉛5mgちょっと)

 が、亜鉛保有量豊富なようだ。

 ただどちらの食材にせよ、日常において毎日のように食べるようなものではない。

 生活に取り入れやすい食材としては、するめ、干しエビ、煮干し、たたみいわしなどが亜鉛豊富だ。

 何百グラムも食べられるようなものではないが、おやつ代わりにしたり、少量を食事の一品目に加えたりして、亜鉛不足を防ごう。

その他

 海藻類では、海苔が亜鉛豊富(100g、3~4mg)。

 粉チーズなどでお馴染み、パルメザンチーズ(100g、7~8mg)。

 豆腐や納豆など大豆食品にも、そこそこの亜鉛が含まれている。

 後は木の実や種子類! 松の実、ごま、カシューナッツには100g中5~6mgの亜鉛が含まれる。それにはちょっと劣るものの、アーモンドもいい(100g、4mg)。

まとめ

 目標としては、牛肉や豚肉など、しっかり量を食べられて、かつ亜鉛豊富な食材を1日100~300gくらい。

 それにプラスして、たくさんは食べられないけど亜鉛豊富な食材を適量摂取していけば、亜鉛不足は避けられるだろう。

 自身の最近の食生活を振り返ると……うん、確かに上記の食材が不足気味だ。

 牡蠣だけではない、実は海苔やチーズもやたら食べたかったのだが……いろいろ納得なのであった。

【writer : doku】