キャベジン

 日本人にとって、胃薬といえばキャベジン、なのではないだろうか。

 おそらくは太田胃散と並ぶ胃薬の代名詞の1つ―――それがキャベジンコーワαである。

キャベジンに含まれる成分

 キャベジンコーワαに含まれる主な成分は以下になる。

  • MMSC(メチルメチオニンスルホニウムクロリド) … 胃粘膜を修復し、胃を癒す。
  • 制酸剤 … ロートエキス、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウムなどが胃酸の過剰分泌や刺激を抑え、胃を守る。
  • ソヨウ乾燥エキス … 胃の働きを活発にする。
  • センブリ末 … 消化不良や食欲不振を改善する。
  • 消化酵素 … ビオヂアスターゼ2000がタンパク質や炭水化物の、リパーゼAP12が脂質の消化を助ける。

 そのなかで、やはり特筆すべきはMMSC(メチルメチオニンスルホニウムクロリド)であろう。

MMSCはキャベツから発見された胃粘膜修復剤

キャベツ

 MMSC(メチルメチオニンスルホニウムクロリド)は、キャベツなどの野菜類から発見された成分で、ビタミンUという異名も持つ。

 またズバリ「キャベジン」という異名も持つ(キャベジンコーワαの商品名はここから来ているわけだ)。

 抗潰瘍性因子であり、胃酸の分泌抑制や胃粘膜の新陳代謝、肝臓障害などにも効果があるのだそうな。

 人体において粗末に扱っていい部分はないが、人間が元気にハッピーに過ごすため、特に大切にすべき臓器が「胃」「腸」「肝臓」の3つ。

 適切なケアでこれらを健全な状態に保っていれば、特別なにか良いことがなくても、なぜか「幸福」な気分でありつづけることができる。

 胃を良くすれば消化が良くなり、腸の調子も良くなる。さらには肝臓まで良くなるとなれば―――このビタミンUは幸福のための3臓器をまとめてケアしてくれる、希少な栄養素であるといえるのだ。

ただし常用はやめておいたほうがいいか……

 となれば毎日のように飲みたいところだが、それはやはりやめておいた方がよさそう……

 やはり一般的な「胃薬」としての成分も多く含まれているからだ。胃の調子を一時的に良くする一方、常用しているといろいろおかしな感じになる。

 ビタミンUを習慣的に摂取したいなら、日常の食事においてキャベツをバリバリ食べ続けるほかなさそうだ。

 どっかの会社が、ビタミンU単体のサプリでも出してくれればよさそうなものだが、そういうのは見たことがない。

 ともあれ、たまに食べ過ぎ等で胃もたれを起こしたとき、このキャベジンコーワαを飲むとスゥーッっと楽になることは確かである。

 胃薬は賢く活用したい。

【writer : doku】