オレガノ

 私が大いに影響を受けた健康本に「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」がある。

 ダイエットバターコーヒーの提唱者として有名なデイブ・アスプリー氏が、みずからを人体実験台にして研究した各種健康法を記したものだが、その教えのひとつに、

「調味料を捨てよ」

 というのがある。

「低品質の調味料は、心身のコンディションに大いな悪影響を与える。変な調味料は使うな。塩だけでいい、塩だけで」

 というような内容だ。

 一方、いくつかの調味料に関しては人体に有益とし、その中でも氏が特に褒めているのが「オレガノ」である。

オレガノの素晴らしき効能

 イタリア料理やスペイン料理にかかせないハーブ、オレガノ。

 ミントの仲間であり、和名はハナハッカ(花薄荷)とも呼ばれる。

 トマト料理に実に合うこのハーブは、抗酸化物質とポリフェノールが豊富で、腸内細菌を助ける一方、抗菌作用もある。

 悪い菌を駆除しつつ、体に有益な良い菌を育ててくれるのだ。

 また消化を促進させる効果。心身の疲労を回復させる効果。神経を落ち着かせる鎮静効果。神経系の頭痛、筋肉痛、生理痛などを緩和する効果。せきを鎮める効果。強壮作用など、さまざまな効能があるといわれている。

なんにでもかけよう、オレガノ

 さて、上記の「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」を読んだ私。本の中でも褒められていたこともあり、さっそく試してみたくなって、近くの業務用品店で購入してみた。

 買ったのは調味料メーカーとしてお馴染み、GABAN製のオレガノである。

 これまで使ったことのなかったハーブだが、できあがった料理に適当に振りかければいいようなので、難しいことはなさそうだ。

 買って帰って…最初はミートソーススパゲッティ(だったと思う)に振って食べてみた。

 パクリ、モグモグ……美味!

「おお、おいしい。こりゃあたまげた! いままで知らなかったなんて損したなぁ!」

 とゴキゲンな気持ちになった直後…驚嘆するようなグッドサインが訪れた。

 グッドサイン―――すなわち体に有益なものを摂ったとき、即座に身心に訪れる反応のことだ。

 猛烈な心地よさが、お腹の奥から沸いてくる。腸内で、有益細菌たちのお祭り騒ぎが起こっているかのような感覚だ。実際に、腸に対するくすぐったさのようものさえ覚える。気分は晴れ渡り、すばらしく高揚する。

  • 人間の体にとって有益で、
  • 自分の体とも相性の良く、
  • 自分の体が必要としている、
  • 食べ慣れないものを食べたとき。

 まれに、このような状態になる(その食材を食べ慣れてしまったら、残念ながらこの感覚は消えてしまうのだが)。

 ともあれそのグッドサインは、本能に刻まれるレベルで大きなものだったので、すっかりオレガノ、気に入ってしまった。

 意外となににかけてもおいしいのだ。多少脂っこいところのある料理なら、なんでも合うのではないのだろうか。パスタ、焼肉、チャーハン、唐揚げ、サラダ。インスタントラーメンに入れても、悪くはない。

 特にすばらしく合ったのが、牛丼―――特に松屋の牛丼である。すごく味が良くなるだ。いまでは、オレガノなしに牛丼を食べるのはもったいない! と感じるようになり、オレガノを小瓶に入れて持ち歩く人間になってしまった。

オレガノを摂る際の注意点

 それほど薬効の強いハーブではないので、そんなに副作用を気にする必要はないかと思われる。

 ただ注意点として。これは乾燥した調味料全般にいえることだが、あんまり湯気ホカホカの料理の上に容器ごと持ってきて振りかける、というのはやめた方がいいようだ。

 湿気がハーブにかかって、目に見えないカビが生えてしまうかも知れないからである。

 せっかくのハーブの健康効果も、カビの毒が発生してしまっては台なし。一転して有害な食材へと変わってしまう。

 実際、多くの人々が無意識に使っている卓上調味料も、湿気のせいでカビて有毒になってしまっていることが多いそうだ。

 そうなってしまったら、もう元には戻らないので、捨てるしかなくなる。

 湯気を立てる料理に使うときは、手間でもスプーンや小皿などに取ってから振りかけると良いだろう。

 また、当然ながら摂りすぎは注意だ。

 この手の調味料、大容量タイプを買った方がはるかにお得なのだが、大量にあると調子に乗って使いすぎてしまいがち。

 調味料はサプリ同様、高濃度の栄養素なので、あまりに大量に摂ると逆に体に負担となってしまう。

 自分の体にとって心地の良い、適切な量を見極め、そこからはみ出さないように使おう。

花言葉

 ちなみにオレガノの名の由来は、ギリシャ語における「山の喜び」。花言葉は「輝き、財産」。古くから、幸福のシンボルとされてきた。

 そういう逸話を思い浮かべながら食べると……ご利益がありそうというか、より効能が強まりそうな気がする。

【writer : doku】