胃薬・太田胃散の是非。利益を十二分に得るには? 副作用を避けるには?
みなさん、お元気だろうか。
みなさんの胃は、お元気だろうか。
もし2番目の質問の答えが「No」であったなら、間違いなく1番目の質問の答えも「No」であろう。
胃。腸と並ぶ、いわずとしれた消化器官の代表。持ち主の精神と極めて密接にリンクをし合っている臓器。
ストレス等で精神を病めば胃が悪くなるし、逆に胃が悪くなれば精神を病んでしまう。
胃が悪いと、なにをどう工夫しても元気が出ない。やる気も出ないし、幸福感も感じられない。
極端な話、日々の生活が、人生そのものが、台無しとなってしまう。
ある日ふと気づいた、胃が悪くなったと
少年の頃はもちろん、青年と呼ぶべき年齢になってからも……
自分には無縁だと思っていた。「胃が悪くなる」ような症状とは。
胃に問題を感じたことなど、ほとんどなかった。
いつだって元気で丈夫な私の胃袋。こってりしたものをどれだけ詰め込んでも、さっさと消化してしまう。
おなかが空きすぎて困ることはあっても、そこに痛みや不快感を感じることはほぼなかった。
「胃が悪くなる」なんて、神経質でストレスにやられている、痩せっぽちのおっさんのなるものだろうとタカをくくっていた。
しかしある程度年を経て……
慢性的に、微妙な体調不良に悩まされることが多くなってきた。
なんだか、元気が出ない。やる気が出ない。つねにダルい。ひどく憂鬱だ。ひょっとしたら鬱病にでもなってしまったのだろうか?
なぜなのか? わからない。ただ、ややジャンクで刺激の強い食べ物を摂ったときにそうなることが多いようだぞ、とは気が付いた。
これは、ひょっとして、「胃が悪くなった」のか? とふと思った。
驚くべき胃薬の効果
仮に胃が悪くなったとしたら、なにが原因だったのだろうか。
仕事が大変で、自覚しないままストレスにさいなまれていたのかも知れない。
あるいは、長年のだらしない生活がさすがにたたってきたのかも知れない。
ともあれ、胃が悪くなったと仮定して、
「じゃあどうすればいいんだ?」
首をかしげてしまった。
病院に行くべきだろうか? しかしめんどくさがりで病院嫌いな私である。
病院に行ったとして、お医者の先生になんと症状を訴えればいいのか、これがわからない。
病院はできる限り最後の手段にしたい。それならば…
「TVのCMとかでよく見る市販薬でも飲んでみようか」
そういうことになった。
で、さっそくやってみたのが、お馴染み「太田胃散」。
あの独特な香りのする粉末を、何気ない気持ちで服用してみて、ものの数分…
びっくり! 驚愕!!
おなかの奥の方が、かっと温かくなった。
体温が上がり、血流が良くなったような感覚があって、なにもしてないのに額から汗が噴き出してきた。
ダルくてしょうがなかったのに、体を動かしたい衝動が体の奥底からわき上がってくる。
腹部が、重しでもとれたかのように軽くなり、かわって踊り出したくなるようなワクワク感が下腹部からわき上がり始めた。
胃薬を魔法の秘薬のように考えたこともあったが…
これはすごい。霊薬だ! 魔法の薬だ! とすら感じた。
この薬さえあれば、これからさき自分はなんだってできるのではないかとすら思った。
しかしその感激は長くは続かなかった。
毎日のように太田胃散を飲み続けて1~2ヶ月、なんだか不調を覚え始めた。
慢性的な、ダルさにさいなまれるようになった。
胃が悪かったときのダルさとはまたちょっと違う感じのものだ。
脇周りに、奇妙なブツブツ…湿疹ができるようになった。
腸の調子が、悪くなってる感覚があった。
別に下痢をするとか、便秘になるとかではない。
ただ、腸内細菌の元気がなくなり、そのせいで「第2の脳」たる腸の元気もなくなっている、そんな感覚。
腸内細菌にいいポリフェノールなどを摂って腸内ウキウキ状態になっているときとは反対の状態になっている。(実際、胃薬の多くに含まれる胃酸中和系の成分は、腸内細菌叢に悪い影響をもたらすそうだ)
太田胃散を飲めば、気分は晴れるのだ。
体はかっと熱くなり、元気と気力がわき上がる。でも……
それは相対的な話。もともとの基準・ベースとなる体調のレベルは、明らかに下がっている。
仮にその下がったレベルを薬でむりやり押し上げても…かつての基準レベルにすら至らない。
つまり、私の心身はどんどん弱っていたのだ。
太田胃散はいい薬、間違いなく、いい薬
別に、太田胃散にケチをつけるつもりはない。
何十年もの昔から、人々に愛され、人々の胃を救ってきた太田胃散。間違いなくすばらしい薬だ。
生薬を中心に製造されたものなので、実際のところ副作用の心配も、他の胃薬よりは低いと考えていいだろう。
でも、それでもなお……書いてある。服用に関しての注意事項に。
「長期連用しないでください」
あくまで、お薬なのだ。
サプリや食品ではないのである。
具合の悪いときにのみ、一時的に飲むべきであり、毎日、習慣のように飲んではダメなのだ。
お薬の連用はダメ
そうして、ヤバいと思ったので、太田胃散の連用はやめた。
次第に、体調は戻ってきた。
太田胃散の服用も、完全にやめたわけではない。
どうしても具合の悪いとき。なにかしらストレスがかかって胃が悪いのだけど、だからこそ気合いを入れたいとき。
太田胃散を飲むと、ギュンッと元気になれる。
薬に頼らず胃を良くするには?
まあともあれ、胃薬を毎日飲むのはよすことにして……
ただ……やはり……
振り出しに戻る。胃薬長期連用による体調不良は直ったが、慢性的な胃の不調感は残っている。
なんとかせねばならない。薬に頼らずに、副作用のないナチュラルな方法で。
で、いろいろ調べ、試してみた話を、次回しようと思う。